恋し、挑みし、闘へ乙女
「そうね、ストレートなら意味が分からないのも当然ね」
吹雪の説明では、吹雪と元旦那殿は嗜好が似ていたらしい。吹雪は女性が好きで、旦那殿は男性が好き。お互い同性愛者だったらしい。
「本当はね」と当時のことを思い出したのか吹雪がクスクス笑う。
「見合い当日、破談を目論んでカミングアウトしたの。お互いに。笑っちゃうでしょう。で、話し合って利がありそうだったから、好都合とばかりに偽装結婚したの」
驚愕の事実に最初こそ驚いていた乙女だが、次第に見開いていた瞳を輝かせ始める。
「それで! なのにどうして離婚したのですか?」
前のめりに話を聞こうとする乙女に吹雪は苦笑いを浮かべる。
「やっぱり思っていた通りだったわ。貴女はこんな私を奇異な目で見ない」
「えっ、何を言っているんですか? 当然です、愛に男女の垣根はありません!」
キッパリと言う乙女を吹雪は眩しい者を見るように目を細め「ありがとう」と小さく頭を下げる。
「離婚したのは、お互い真の愛を貫きたいと思ったからなの」
「――真の愛……」
ハートの目をした乙女が、両手を組み合わせ祈りのポーズで「素敵!」と発熱したように呟く。
吹雪の説明では、吹雪と元旦那殿は嗜好が似ていたらしい。吹雪は女性が好きで、旦那殿は男性が好き。お互い同性愛者だったらしい。
「本当はね」と当時のことを思い出したのか吹雪がクスクス笑う。
「見合い当日、破談を目論んでカミングアウトしたの。お互いに。笑っちゃうでしょう。で、話し合って利がありそうだったから、好都合とばかりに偽装結婚したの」
驚愕の事実に最初こそ驚いていた乙女だが、次第に見開いていた瞳を輝かせ始める。
「それで! なのにどうして離婚したのですか?」
前のめりに話を聞こうとする乙女に吹雪は苦笑いを浮かべる。
「やっぱり思っていた通りだったわ。貴女はこんな私を奇異な目で見ない」
「えっ、何を言っているんですか? 当然です、愛に男女の垣根はありません!」
キッパリと言う乙女を吹雪は眩しい者を見るように目を細め「ありがとう」と小さく頭を下げる。
「離婚したのは、お互い真の愛を貫きたいと思ったからなの」
「――真の愛……」
ハートの目をした乙女が、両手を組み合わせ祈りのポーズで「素敵!」と発熱したように呟く。