恋し、挑みし、闘へ乙女
「思った通りだった。おかしいと思ったんだよ」
夜支路の鋭い視線が龍弥を突き刺す。そして、その眼が蘭丸に移る。
「君もまだまだだね。こんな裏切り者の雑魚を仲間に引き入れるとは」
夜支路の声が落ち着けば落ち着くほど恐怖が募るのか、蘭丸の顔がどんどん青く強張る。
「知っているのは当然だろう。この間拐かした奴だからな」
龍弥はあくまでもシラを切るつもりらしい。
バレバラなのに……と乙女は溜息を付きながら龍弥に話し掛ける。
「元気にしてた?」
「おい!」
喋るな、というように龍弥が首を横に振る。
「君は芝居が下手だね。役者には到底なれないね」
夜支路が馬鹿にしたように笑う。
「誰も役者になんかなろうなんて思ってない!」
「黒棘先様に何て口を利くんだ!」
蘭丸がグイッとリードを引っ張る。途端に喉に圧がかかったのか龍弥が咳き込む。
「ちょっと乱暴はよしなさい!」
乙女が蘭丸を睨む。
「本当に威勢のいいお嬢さんだ。敵に回すのが惜しい」
夜支路がクックッと笑みを漏らす。
「お爺様! 冗談でもそんなことを言わないで」
蘭子が乙女を睨み付ける。
「お前のそれは嫉妬だ。私は冷静な眼で彼女の資質を分析したまでだ。何にしても、もうお前と梅大路綾鷹の見合いはない」
夜支路の鋭い視線が龍弥を突き刺す。そして、その眼が蘭丸に移る。
「君もまだまだだね。こんな裏切り者の雑魚を仲間に引き入れるとは」
夜支路の声が落ち着けば落ち着くほど恐怖が募るのか、蘭丸の顔がどんどん青く強張る。
「知っているのは当然だろう。この間拐かした奴だからな」
龍弥はあくまでもシラを切るつもりらしい。
バレバラなのに……と乙女は溜息を付きながら龍弥に話し掛ける。
「元気にしてた?」
「おい!」
喋るな、というように龍弥が首を横に振る。
「君は芝居が下手だね。役者には到底なれないね」
夜支路が馬鹿にしたように笑う。
「誰も役者になんかなろうなんて思ってない!」
「黒棘先様に何て口を利くんだ!」
蘭丸がグイッとリードを引っ張る。途端に喉に圧がかかったのか龍弥が咳き込む。
「ちょっと乱暴はよしなさい!」
乙女が蘭丸を睨む。
「本当に威勢のいいお嬢さんだ。敵に回すのが惜しい」
夜支路がクックッと笑みを漏らす。
「お爺様! 冗談でもそんなことを言わないで」
蘭子が乙女を睨み付ける。
「お前のそれは嫉妬だ。私は冷静な眼で彼女の資質を分析したまでだ。何にしても、もうお前と梅大路綾鷹の見合いはない」