恋し、挑みし、闘へ乙女
そして……
陽だまりの中、乙女がうーんと伸びをする。
「それにしても、疑問がまだいろいろ残っているのですが」
あの日から一週間が経つ。
綾鷹たち国家親衛隊は黒棘先たちの悪事をまとめ上げ、世に知らしめた。それと共に、月華の君は「十八歳での見合い云々の改正案を現在検討中だ」と発表した。
随分前から、月華の君は『子どもを増やすため』と思える見合い制度を改めようといろいろ画策していたらしい。
「疑問とは?」
ようやく休みの取れた綾鷹は、乙女の隣でフワァと欠伸をする。
「なぜ私の居場所が分かったのですか?」
フムと綾鷹が悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「やはりマダム・メープルの作品は逸品だね」
「マダム・メープル?」
この流れでなぜその名が出るのだろう、と乙女は隣に座る綾鷹をジッと見る。
「彼女が洋服以外に、アクセサリーなどの装飾品を作るのは知っているよね?」
コクンと乙女が頷くと綾鷹は話を続ける。
「彼女が作る品々を我々は利用させて貰っている」
綾鷹の目が乙女の胸元に向けられる。
視線の先には、先日綾鷹から贈られたペンダントが日の光を浴びて美しく輝いている。
「まさか!」
「そのまさかだよ。これには追跡機能と音声録音装置が仕込んである」
「嘘っ!」
乙女はペンダントをマジマジと見つめる。
「それにしても、疑問がまだいろいろ残っているのですが」
あの日から一週間が経つ。
綾鷹たち国家親衛隊は黒棘先たちの悪事をまとめ上げ、世に知らしめた。それと共に、月華の君は「十八歳での見合い云々の改正案を現在検討中だ」と発表した。
随分前から、月華の君は『子どもを増やすため』と思える見合い制度を改めようといろいろ画策していたらしい。
「疑問とは?」
ようやく休みの取れた綾鷹は、乙女の隣でフワァと欠伸をする。
「なぜ私の居場所が分かったのですか?」
フムと綾鷹が悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「やはりマダム・メープルの作品は逸品だね」
「マダム・メープル?」
この流れでなぜその名が出るのだろう、と乙女は隣に座る綾鷹をジッと見る。
「彼女が洋服以外に、アクセサリーなどの装飾品を作るのは知っているよね?」
コクンと乙女が頷くと綾鷹は話を続ける。
「彼女が作る品々を我々は利用させて貰っている」
綾鷹の目が乙女の胸元に向けられる。
視線の先には、先日綾鷹から贈られたペンダントが日の光を浴びて美しく輝いている。
「まさか!」
「そのまさかだよ。これには追跡機能と音声録音装置が仕込んである」
「嘘っ!」
乙女はペンダントをマジマジと見つめる。