恋し、挑みし、闘へ乙女
「ああ、そうだったね」
月華の君が顔を引き締める。すると子供のように無邪気な顔が気品溢れる貴公子に変わる。流石、一国の主。そんな感じだ。
二十八歳……というと二人は同級生? 目の前の男二人に乙女は視線を走らせる。
綾鷹はクールなハッカ飴で月華の君はフワフワの綿飴みたいだ、となぜか乙女は二人を飴に例える。
しかし、両者とも至極美しい……女より美しいとは……と乙女がいじけモードに突入していると……。
「申し訳ないが私との話は反故にして頂きたい」
月華の君が突然訳の分からないことを言い出した。
キョトンとする乙女とは対照的に、ようやく現実の世界に戻ってきた一葉が声を上げる。
「そっそれは破談ということですか!」
だが、その声は掠れていた。
「いえ、この綾鷹と新たに縁を結んで頂き、今回の見合いは成立ということにしたいのです」
益々意味不明の言葉を宣う。
「そっそれは規則に背けと! 私共に罰を受けよと言うのですか!」
一葉の悲鳴のような叫びを聞きながら乙女は違和感を覚える。
「お母様、ちょっと待って。婚ピューターの命は王の命。その王が反故と命を出したのですから、罰は無効じゃありません?」
「流石、切れ者と評判の乙女さんだ」
切れ者? 綾鷹の言葉がどこから来たものか訝しげに思いながらも、一応、褒められたのだろう、と乙女は素直に「ありがとうございます」と礼を述べる。
月華の君が顔を引き締める。すると子供のように無邪気な顔が気品溢れる貴公子に変わる。流石、一国の主。そんな感じだ。
二十八歳……というと二人は同級生? 目の前の男二人に乙女は視線を走らせる。
綾鷹はクールなハッカ飴で月華の君はフワフワの綿飴みたいだ、となぜか乙女は二人を飴に例える。
しかし、両者とも至極美しい……女より美しいとは……と乙女がいじけモードに突入していると……。
「申し訳ないが私との話は反故にして頂きたい」
月華の君が突然訳の分からないことを言い出した。
キョトンとする乙女とは対照的に、ようやく現実の世界に戻ってきた一葉が声を上げる。
「そっそれは破談ということですか!」
だが、その声は掠れていた。
「いえ、この綾鷹と新たに縁を結んで頂き、今回の見合いは成立ということにしたいのです」
益々意味不明の言葉を宣う。
「そっそれは規則に背けと! 私共に罰を受けよと言うのですか!」
一葉の悲鳴のような叫びを聞きながら乙女は違和感を覚える。
「お母様、ちょっと待って。婚ピューターの命は王の命。その王が反故と命を出したのですから、罰は無効じゃありません?」
「流石、切れ者と評判の乙女さんだ」
切れ者? 綾鷹の言葉がどこから来たものか訝しげに思いながらも、一応、褒められたのだろう、と乙女は素直に「ありがとうございます」と礼を述べる。