恋し、挑みし、闘へ乙女
「はぁ……」
何と返事をしていいのやら、と乙女が戸惑っていると蘭子が言う。
「貴女を選んだのは婚ピューターのミスよ!」
ビシッと言い切る蘭子に乙女は唖然とする。
「綾鷹様のことはきっと取り戻してみせるわ」
「それはどうかな」
はい? 乙女は自分の声ではない声が返事をしたので驚き、その声の方を見る。そこに立っていたのは上ノ条だった。
「蘭子さんは相変わらずですね」
「あら、上ノ条公爵、ご無沙汰しております」
二人は和やかに挨拶を交わすが、交わす眼と眼の間には火花が散っている。
「桜小路乙女さんには構わないで下さい、と綾鷹も言っています。だろ?」
上ノ条の視線が蘭子を超え、後方を見る。
「えっ!」と蘭子が振り向く。
「綾鷹様!」
「黒棘先様、乙女は正真正銘、私の見合い相手です。貴女が何と言おうともね」
蘭子の脇を通り過ぎると、綾鷹は乙女の背に立ち彼女を振り向かせ肩を抱く。
「綾鷹様! どうしてその子なのですか!」
「彼女は私の運命の相手だからです」
「婚ピューターが選んだから? あれは間違い。運命の相手は私よ!」
フンと綾鷹が鼻を鳴らす。
何と返事をしていいのやら、と乙女が戸惑っていると蘭子が言う。
「貴女を選んだのは婚ピューターのミスよ!」
ビシッと言い切る蘭子に乙女は唖然とする。
「綾鷹様のことはきっと取り戻してみせるわ」
「それはどうかな」
はい? 乙女は自分の声ではない声が返事をしたので驚き、その声の方を見る。そこに立っていたのは上ノ条だった。
「蘭子さんは相変わらずですね」
「あら、上ノ条公爵、ご無沙汰しております」
二人は和やかに挨拶を交わすが、交わす眼と眼の間には火花が散っている。
「桜小路乙女さんには構わないで下さい、と綾鷹も言っています。だろ?」
上ノ条の視線が蘭子を超え、後方を見る。
「えっ!」と蘭子が振り向く。
「綾鷹様!」
「黒棘先様、乙女は正真正銘、私の見合い相手です。貴女が何と言おうともね」
蘭子の脇を通り過ぎると、綾鷹は乙女の背に立ち彼女を振り向かせ肩を抱く。
「綾鷹様! どうしてその子なのですか!」
「彼女は私の運命の相手だからです」
「婚ピューターが選んだから? あれは間違い。運命の相手は私よ!」
フンと綾鷹が鼻を鳴らす。