恋し、挑みし、闘へ乙女
「当然、お嬢様の味方です。ですが、綾鷹様とだったら……断然、綾鷹様に味方する方が……」
皆まで聞かずとも言いたいことが分かった乙女は、「裏切り者」とミミを小さく睨む。
「何とでもおっしゃって下さい。私の思いはひとつ! 乙女様の安全です!」
使命に燃えたミミの瞳がメラメラと赤く燃える。
こうなったらもう誰もミミを止められない。乙女は諦めの境地に至る。
「ところで乙女様、午後から“有閑マダムのお茶会”では?」
「あっ!」そうだったと乙女も思い出す。
「でも、流石、綾鷹様のお見合い相手ですね。“有閑マダムのお茶会”に、まだ婚約も整っていないのにお呼び頂けるのですから」
“有閑マダムのお茶会”とは、公爵伯爵家の中でも選ばれし名家の婦人だけが参加できるお茶会だそうだ。
参加出来る人数は限られていて、メンバーに名を連ねることは最高のステータスだと誉れ高い。
「――私、ああいうのあまり好きじゃないのよね。私の代わりにミミに行ってもらいたいぐらいだわ」
「何を仰せですか!」間髪入れずミミの怒号が飛ぶ。
「一葉様がどんなにお喜びだったか、覚えていらっしゃいますよね?」
確かに……異常なほどの興奮ぶりだった。
皆まで聞かずとも言いたいことが分かった乙女は、「裏切り者」とミミを小さく睨む。
「何とでもおっしゃって下さい。私の思いはひとつ! 乙女様の安全です!」
使命に燃えたミミの瞳がメラメラと赤く燃える。
こうなったらもう誰もミミを止められない。乙女は諦めの境地に至る。
「ところで乙女様、午後から“有閑マダムのお茶会”では?」
「あっ!」そうだったと乙女も思い出す。
「でも、流石、綾鷹様のお見合い相手ですね。“有閑マダムのお茶会”に、まだ婚約も整っていないのにお呼び頂けるのですから」
“有閑マダムのお茶会”とは、公爵伯爵家の中でも選ばれし名家の婦人だけが参加できるお茶会だそうだ。
参加出来る人数は限られていて、メンバーに名を連ねることは最高のステータスだと誉れ高い。
「――私、ああいうのあまり好きじゃないのよね。私の代わりにミミに行ってもらいたいぐらいだわ」
「何を仰せですか!」間髪入れずミミの怒号が飛ぶ。
「一葉様がどんなにお喜びだったか、覚えていらっしゃいますよね?」
確かに……異常なほどの興奮ぶりだった。