それは、愛だった。
わたしのクラスは、全組五組あるうちのどうやら二組らしい。どんなに人が多いんだ、とまた溜息が止まらない。この先の話を知らないわたしはなんてもったいないんだろう。今思うとほんとにやる気がないんだなぁと思う。
「あの・・」
「はい。」
「あなたも二組?」
廊下でふらふらしているわたしにおどおどと話しかけてくる女の子が居た。栗色のかわいい小柄のかわいい女の子。
「あんたは・・?」
「結城 尚(ゆうき なお)です。」
「あたしは・・・牧尾 律」
「律ちゃん!よろしくね!」
かわいらしく微笑む彼女は、ブレザーもよく似合う。これぞ女子高生だ。あぁ、かわいい。
「二組、一緒に行こうか。あんた・・、尚はどーせ、迷子でしょ?」
「だってぇ・・」
頬を膨らませわたしの制服の裾を握る彼女を引っ張り彼女とわたしのクラスである二組に急いだ。