つちかぶりひめ


「若葉様!お久しゅうございます!」

「さく姫様もいらっしゃって!あらあら、今日もまた一段と可愛らしい…」

「若葉様!今丁度野菜を取ってきたんでぜひ持って行ってくだせぇ」


村へと出れば、賑やかだった市も若葉たちの登場でさらに沸く。



若葉が今の家へと移住した当初は、貴族という呼称から村人は若葉を良く思わず、みな遠巻きに距離を置いて生活していた。
しかし、少しずつ関わることによって、若葉のまとう雰囲気や態度は、想像していた貴族とはかけ離れたものであると感じていったのだ。
さらには、貴族として得たお金の多くを、村の再興のための有益費として用いていた。


その結果、村人たちから親しまれる珍しい貴族が誕生したのだった。



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