つちかぶりひめ


さくが花を愛でていた頃、若葉といえば、村人と談笑していた。


「そういえばここに来る前、仰々しい牛車が向こうの宿に沢山止まってましたよ!あれを見るにきっと位の高い人が乗ってるに違いませんよ!!」


「それはなんと、、、大変素晴らしい人が乗っているんでしょうなぁ」

「さく姫様もいつかあんな風に立派な牛車に乗った人に嫁ぐんですかねぇ。そしたら若葉様泣いちゃいますねぇ」

「それは容易に想像できますね」


「…ところで、そのさく姫様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」


村人の一言に、若葉は慌ててあたりを見る。しかし、さくの姿はどこにもなく、村では若葉を筆頭に村人たち皆を巻き込んだ大騒動へと発展していった。



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