【完】はじめての…

「なんか、雨の日ばっかり会うね…」


「そうか?ま、そうかもな〜」

というと並んで歩いた。

前に好きな人だって思ってから

久しぶりの会話だったから、

何を話そうかと、話す話題を探すと、

「あ!ね、春菜、

風邪ひいて途中で帰ったみたいだよ…!」

…となんとかつなげた、かな?

「まじか、黒田がな…

紘は元気だっていうのに…」

そっか、

そこはそのつながりがあったか…

なんて思ってから…。


そこから会話がなくなったまま

ただ家に向かって歩いた。

水たまりを気をつけながら

自然とわたしは下を向いていた。


そんな中で


や、これ、話す話題、どうしようと


てんやわんやしてると


「どうしたんだよ、慌てて、


黒田が風邪引いたからって


ひなまで引くって思ってんのか?」


「違うよ!そんなことじゃ…!」


と思わず顔を翔に向けると


「やっと、こっち向いたな。

お前が目を合わさないなんて

めずらしいからな。」


え、


なんで、そんなこと…。

気がついたらもう家の前。


エントランスに着いて

鍵を出す翔を見て


好きな人に告白する

あの、テレビドラマが

フラッシュバックした。



「あ、あのさ!」


「ん?」


「翔って


好きな人いる?」

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