【完】はじめての…
「おはよう〜」
「おはよ、ひな!」
エントランスに向かうと
声をかけてくれたのは親友で同い年の
黒田 春菜【くろた はるな】
春菜も同じ2班なんだけど、
春菜は地区の代表さんをやる代わりに
班長はわたしになったのだ。
「よっ」
「おはよ、翔」
そっけないような
でもちゃんと挨拶してくれる
高梨 翔【たかなし かける】も
わたしと同い年だけど
違う1班の班長で、
このマンションには3人の6年生が
2つの班に分かれたのだ。
「あーもう1番前とか、いやぁ…」
「そんなこと言っても、
ひな優しいんだから
新1年生に対してもだいじょぶだって!」
と春菜。
「2班なんだから、俺らの後だろ?
んな心配しなくてもいいだろ。」と翔。
いやぁ、まぁそれもそうだが、
心配だし、緊張することに変わりはない。
そこに、
「おはようございます〜」
新1年生の子たちとそのお母さんが来た。
初めてにしてはやっぱり緊張するけど
1年生の子たちの方が緊張して
黄色い帽子をかぶった上に
さらに下を向くから余計顔が見えない。
今年の新1年生は2人の女の子。
2つの班に1人ずつとなる。
「おはよう、ゆずちゃん〜」
「…。」
「もう、ゆずったら。ごめんなさいね
悪気はないのよ。」
とゆずちゃんママ。
「いえ、大丈夫ですよ、
わたしも前はこんな感じでしたから」
「じゃあそろそろ時間だし、行こっか?」
と春菜。
さすが地区の代表さんをやるだけあって、
周りをきちんと見ている。
気づいたら時計の針は
集合時間を指していた。
「おう」 「だね」
翔とわたしが言うと
翔が率いる1班から先に歩き始めた。
「ゆずちゃん、
お母さんに行ってきますって
手振っておいで?」
こくっと頷くと後ろを振り返って
ゆずちゃんママに手を振っていた。
こういう光景懐かしいな、、
でももうわたしだって
あれから5年も経つなんて、、ね。
♡。.:・¤゚♡。.:・¤゚♡。.:・¤゚♡。.:・¤゚
少しずつ歩き始めると、
だんだんゆずちゃんのペースが
落ちてきた。
家から学校までは15分ほど。
多少は曲がり道ではあるけど
ほとんどが一本道だ。
「ゆずちゃん疲れちゃった?
お姉ちゃんと手をつなごっか?」
そう言って左手を差し出すと、
おそるおそるゆずちゃんの右手が
伸びてきて
わたしの手をぎゅっとつかんだ。
「だいじょぶよ、ゆずちゃん。
もうすぐ学校だし
お友だちにも会えるからね!」
「…うん!」
とにっこりした笑顔が見れた。
ふぅ、これなら安心だね、
わたしの前には翔が引き連れる1班が
いるし、後ろには春菜もいるし。
とりあえず乗り切れそうだ。
そして、正門を入って
それぞれの学年の昇降口にたどり着く。
「ゆずちゃん!おはよっ!」
入学式のときに
友だちになったのだろう
挨拶してくる女の子を見て、
ぱっと笑顔があふれたゆずちゃんを
見て、わたしは左手を離した。
「ゆずちゃんまたね〜!」
と言うと
「またね、ばいばーい!」
と、元気よく手を振ってくれた
ゆずちゃんは、挨拶してくれた女の子
と一緒に昇降口に入っていった。
そこに
「ひーなっ、おつかれ!」
ぽんっと肩を叩いたのは、春菜。
「うん、無事に乗り切った〜」
「でも、あと1週間くらいあるからね〜」
「いやぁ今はそれ言わないで〜」
とくすくす笑いながらも
私たちも昇降口に入っていった。
「おはよ、ひな!」
エントランスに向かうと
声をかけてくれたのは親友で同い年の
黒田 春菜【くろた はるな】
春菜も同じ2班なんだけど、
春菜は地区の代表さんをやる代わりに
班長はわたしになったのだ。
「よっ」
「おはよ、翔」
そっけないような
でもちゃんと挨拶してくれる
高梨 翔【たかなし かける】も
わたしと同い年だけど
違う1班の班長で、
このマンションには3人の6年生が
2つの班に分かれたのだ。
「あーもう1番前とか、いやぁ…」
「そんなこと言っても、
ひな優しいんだから
新1年生に対してもだいじょぶだって!」
と春菜。
「2班なんだから、俺らの後だろ?
んな心配しなくてもいいだろ。」と翔。
いやぁ、まぁそれもそうだが、
心配だし、緊張することに変わりはない。
そこに、
「おはようございます〜」
新1年生の子たちとそのお母さんが来た。
初めてにしてはやっぱり緊張するけど
1年生の子たちの方が緊張して
黄色い帽子をかぶった上に
さらに下を向くから余計顔が見えない。
今年の新1年生は2人の女の子。
2つの班に1人ずつとなる。
「おはよう、ゆずちゃん〜」
「…。」
「もう、ゆずったら。ごめんなさいね
悪気はないのよ。」
とゆずちゃんママ。
「いえ、大丈夫ですよ、
わたしも前はこんな感じでしたから」
「じゃあそろそろ時間だし、行こっか?」
と春菜。
さすが地区の代表さんをやるだけあって、
周りをきちんと見ている。
気づいたら時計の針は
集合時間を指していた。
「おう」 「だね」
翔とわたしが言うと
翔が率いる1班から先に歩き始めた。
「ゆずちゃん、
お母さんに行ってきますって
手振っておいで?」
こくっと頷くと後ろを振り返って
ゆずちゃんママに手を振っていた。
こういう光景懐かしいな、、
でももうわたしだって
あれから5年も経つなんて、、ね。
♡。.:・¤゚♡。.:・¤゚♡。.:・¤゚♡。.:・¤゚
少しずつ歩き始めると、
だんだんゆずちゃんのペースが
落ちてきた。
家から学校までは15分ほど。
多少は曲がり道ではあるけど
ほとんどが一本道だ。
「ゆずちゃん疲れちゃった?
お姉ちゃんと手をつなごっか?」
そう言って左手を差し出すと、
おそるおそるゆずちゃんの右手が
伸びてきて
わたしの手をぎゅっとつかんだ。
「だいじょぶよ、ゆずちゃん。
もうすぐ学校だし
お友だちにも会えるからね!」
「…うん!」
とにっこりした笑顔が見れた。
ふぅ、これなら安心だね、
わたしの前には翔が引き連れる1班が
いるし、後ろには春菜もいるし。
とりあえず乗り切れそうだ。
そして、正門を入って
それぞれの学年の昇降口にたどり着く。
「ゆずちゃん!おはよっ!」
入学式のときに
友だちになったのだろう
挨拶してくる女の子を見て、
ぱっと笑顔があふれたゆずちゃんを
見て、わたしは左手を離した。
「ゆずちゃんまたね〜!」
と言うと
「またね、ばいばーい!」
と、元気よく手を振ってくれた
ゆずちゃんは、挨拶してくれた女の子
と一緒に昇降口に入っていった。
そこに
「ひーなっ、おつかれ!」
ぽんっと肩を叩いたのは、春菜。
「うん、無事に乗り切った〜」
「でも、あと1週間くらいあるからね〜」
「いやぁ今はそれ言わないで〜」
とくすくす笑いながらも
私たちも昇降口に入っていった。