俺様社長に甘く奪われました

 どことなく気まずい空気が莉々子たちの間に流れる中、望月がふと立ち上がる。

(さすがに怒らせちゃったかな。どうしよう……)

 かすかな不安を抱えてその後ろ姿を目で追っていると、望月は料理が並んでいるところをざっと一巡して戻った。手にしている皿にはひと口サイズのケーキが所狭しと並んでいる。


「これも好きだろ?」


 そう言って微笑んだ望月の顔からは、さっき見えた陰は消えていた。


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