俺様社長に甘く奪われました

 船は羽田空港を通過し、レインボーブリッジ越しに東京タワーやスカイツリーが美しい光を放っている。夜景の中を航行する海は、否応なしにふたりの気分を盛り上げた。

 ふと横顔に視線を感じてそちらを見ると、奏多のとろけそうなほど甘い眼差しが莉々子を見つめていた。腰を抱かれるようにして奏多に向き合う。顎を持ち上げられて莉々子がゆっくりと目を閉じると、奏多の熱い唇が重なった。

 奏多からの思わぬデートのプレゼントは、莉々子の心を幸せな想いでいっぱいにしたのだった。



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