俺様社長に甘く奪われました

 奏多との結婚は、夢のまた夢だと思っていた。そばで支えることを密かに誓ったことに間違いはないが、こんなに早くその言葉をもらえるとは思いもしなかった。


「莉々子を妻にしなければ、守れるものも守れないと、今回のことでよくわかったんだ」


 恋人に対する脅迫文では、脅迫罪に問えなかった。奏多はそのことを言っているのだろう。


「莉々子のことは、なにがあろうと俺が全力で守り抜く。そう決めた」


 嬉しすぎる言葉の数々に莉々子の胸がいっぱいになる。


「……ありがとうございます、奏多さん」
「それは了承の返事ととっていいんだな?」
「はい」


 莉々子が返事をして奏多に抱き寄せられた瞬間、店内から拍手が湧き上がる。見ず知らずの人たちからの祝福が照れくさくて、奏多とふたり顔を見合わせて微笑み合う。

幸せな気持ちのまま、ひとつ下の階のロイヤルスイートルームへと移動した。



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