ネコと教師
「思うんだがな、白石」
「んん?」
「こんな職員室なんかで教師に囲まれてメシ食ってもうまくないだろ。だったらな、同い年の気の合う連中と中庭でも教室でもどっか集まって食ったほうのが楽しいんじゃないか?」
「どこで食べようがパンなんておんなじ味だし。それなら大倉先生といっしょの方がいくらか割り増しされるじゃん」
「だから、それをやめろってんだ」
「なにが?」
「おれといっしょだとどうだの、そういうやつだよ。周りに他の先生もいるんだぞ。変なふうにとられちまったらどうするんだ?」
「なんで?」
にゅっと身を乗り出す白石。
(うわあ!なんで顔を近づけるんだ!……む?げっ。す、杉田先生、これは違いますよ。こいつが勝手にね。ほ、ほら、その証拠に私、すっごく転びそうなくらいに後ろに避けてのけぞってるでしょ?あ、こら!杉田!なんで隣の先生に声かけてんだ!うおおっ。だから違うんですって青田先生!……って、おおおっ!このままじゃ本当にこけるって!)