ネコと教師

――ああ。

だって小学校のころ、実際俺とあいつは、仲が良かったんだから。

五年のころに席が隣になったのがきっかけで。

遠足のときはバスの席が隣同士になって、ふたりして手放しで喜び合ったりしたものだ。

六年のころは、ほとんど毎日ふたりで遊んだ。

異性ではあったけど、親友って言ってもよかったと思う。

いや、そりゃもちろん、あいつは俺を友達としてしか見ちゃいなかったろうけど。

ああ、そんなふうにしてりゃもちろん、みんなガキだったから周りからのからかいはあった。

でも、そのころは周りの連中がはやし立てようがどうしようが、全然気にならなかったんだ。

だって、それよりも白石といるほうのが、純粋に楽しかったから。

それは中学に入っても変わらないと、俺は勝手に思っていたのだ。

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