ネコと教師
「ってわけで、行くか」
「待たんかい。なにがどういうわけだ」
おお。襟首掴まれた。
あらまあ、なにこれ。
うそ、今日は積極的じゃん先生。
なんつって。
はいはい。
同じ手は二度通じねーですか。
「先生んち、いくんでしょお?」
「ああ行く。おれひとりでな。なんたってあそこは、先生んちだからな」
「あ、そう。じゃあ、あたしが泊まってもいっさい問題ないじゃんね?」
「ふふ。お疲れ様です。大倉先生」
あ、青田先生だ。
「あ……、ああ。お疲れ様です。青田先生」
「なにやってるんです?こんなところでふたりして」
む。なんだいこの人。
このふたりの姿を見てわからないとは失礼だ。
「やだなあ。青田先生も人が悪い。皆まで言わせますか?」
「……白石、ちょっと黙っていてくれ」
あれ?
ち。外したかな。