ネコと教師

10・6


ピンポーン。

真夜中インターホン。

出てこないので連打。

しばらくして扉のむこうで、

「うるせー!」

と、ご起床いたしまする大倉さま。

どかどかと足音。

そしてバゴンと乱暴に開かれる扉。

わお、先生のパジャマ姿超キュート♪

「うわっ!」

人の顔見るなりの失礼な反応。

らしいらしい。

「やっほー。同棲相手の白石です」

「お、おま、いま何時だと思ってるんだ!」

「これおみやげ。おじゃまでーす」

ジュースとお菓子と泡出る黄色いのの入った重たい袋をパスする。

「いや、え。ちょとっ、待てこらっ!」

「先生、夜中におっきい声出すと、近所迷惑だよ」

「なんだこれ。ビールじゃないか。どうしたんだよ、これ」

「買わなきゃお店はくれません。先生、当たり前のこと訊くね」

すてすて中へと踏み進む。勝手知ったるヒトの家。

がちゃどたあたしへ踏み進む。みやげ持ったる政司さん。

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