たとえばきみとキスするとか。
永遠の初恋は続いている。



私にとって初恋は特別なもので、今でも色褪せることなくキラキラしている。


「いってきまーす!」

私こと浅倉莉子は玄関でローファーを履いて外に出た。

高校に入学して早2か月。夢に見た高校生活は順調で、とても充実している。


「おはよう、莉子(りこ)」

家の門の前には、同じ学校の制服を着た男の子が立っていた。


身支度する時にあれだけ洗面所で寝癖はついてないかとか、ニキビはできてないかとか、ひととおりチェックしたはずなのに、私は少しでもよく見せようと前髪を触る。


「お、おはよう!蓮(れん)」


私の瞳に映るのは太陽よりも眩しいオーラを放つ――早川蓮。

毎朝の光景なのに、私はいまだに蓮の前だと緊張してしまう。


「はは、今日も元気だね」

ドキッと胸が高鳴ってしまう蓮の笑顔。


蓮とはいわゆる幼なじみで、私はガチガチに身体が固くなっているけれど、こう見えて小さい頃からずっと一緒。

幼い時も美男子だって有名だったけど、高校生になり紺色のブレザーを着てる蓮はますます精悍(せいかん)な顔つきになり、早くも学校では王子さまなんて呼ばれている。

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