たとえばきみとキスするとか。
それから2日ほどが経って、そろそろテスト勉強に本腰を入れなければならない。でもやる気が出ない。
そんな私を察したように、蓮が『約束していたテスト勉強を一緒にやろう』と誘ってくれた。少しだけ迷いはあったけど、蓮の助けがなければ乗りきれないと、私は夜に部屋のドアを叩く。
「どうぞ」
中から声が聞こえて、ドアノブを回した。
「お、お邪魔します……」と、低姿勢で入ると蓮に「なんでそんなに恐る恐るなの」と笑われてしまった。
蓮の部屋には大きな本棚があって、色々なジャンルの本が並んでいる。私には到底理解できなさそう洋書もあって、そういえば蓮は将来、海外で仕事がしたいと言っていた。
英語の成績もいいし、すでにインターナショナルに強い大学のパンフレットを見たりしているから本当に尊敬する。
「ここに座って」
蓮の部屋には勉強机の他に丸テーブルが置いてあり、私はそこへちょこんと座った。