たとえばきみとキスするとか。
「お前がずっとネックレスを大事にしててすげえムカついてたよ。アイツからの宝物だって。あげたのは俺なのに」
「……じゃあ、なんで入れ替わったりしたの?」
そんな顔をするなら、零として10歳の誕生日をここで過ごしてくれたらよかったのに。
「自信がなかったんだよ」
零がぽつりと呟く。
「俺としてお前を水族館に連れていっても、きっと手なんて繋げなかっただろうし、ネックレスだってあげられなかったし、守るからなんてカッコいいことも言えなかった」
いつも自信満々で強気な零が、はじめて見せてくれた本音。零も零なりに色々と考えて私を喜ばせようとしてくれていたのかもしれない。
その気持ちに、胸が締めつけられる。