甘く、蕩ける。
「すみませーん。誰かいませんかー?」

「は、はーい!」

彼は私に謝るとお客さんの接客につく。私

の脳内にはもう、旦那の存在はなく全て彼

に塗り替えられていた。




~そしてその日の夜~

「あっ・・・は、あっ・・・」

私は、再び彼の部屋で愛し合っていた。も

う旦那の事なんて、何もかも消えてしまって

いいと思うほどに熱く絡まって重なって。熱

っぽい吐息が混ざっては消えた。

「はあっ・・・溶けちゃう・・・」

互いの汗がタラタラと肌を滑り落ちる。激

しく突き上げられる度、汗が粒となって滴

った。

「怜香さん・・・」

彼の広い背中に腕を回す。気持ち良さを残し

たまま体勢を変え再び交わった。

「・・・っ、ん・・・っ!」

後ろから、彼の右腕がお腹に回された。そ

のまま深くまで入られ、一層甲高い声が喉

から勢いをついて出る。それでも興奮冷め

やらず何度も同じ動きを繰り返した。
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