甘く、蕩ける。
動く度厚い肉に搾取され、彼は嬉しそうに

私を押し倒した。

「怜香さん、ここ好き?」

分かっているはずなのに、わざとらしく奥

を刺激される。一旦抜かれると、角度を変

えて再び深部を犯された。

「好きって・・・っん」

何度も唇を啄まれ、愛を擦りつけるように

掘削される。彼は甘い花の香りを漂わせて

いた。

「もう、怜香さんが欲しいっ・・・」

彼の手が両側に置かれ、一層動きが激しく

なる。敷布が浮き上がるほどに体をしつこ

く絡ませていた。

「何度愛し合ったって足りない・・・愛し

てます、怜香さん・・・」

彼からは花の香りが鼻腔をつくのに、まる

で今は私が花。蜂の餌食になって蜜を吸われ

ている気分だ。

「ん・・・わ、たし・・・も。愛してる」

私の中にある小さな愛の器に、いや・・・

私の全てに、彼が必死で自分を刻みつけて

いる。

いっその事、このままずっと離れられなく

たっていい。
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