計画的恋愛
暁君の本性を知って怖くなって暁君を追い出したけれど、離婚はしないと暁君は言った。

どうしたら離婚してくれるだろう……。

でも説得するのにも暁君に会わなくちゃいけない。

あんな恐怖を感じる人と話し合いなんて、まともに出来るのだろうか……『カタン』


「え……」


今、一階から物音がした。

誰も居ないはずの一階から。

ちゃんと鍵は施錠したのに……。

背筋に冷たいものが走る。


もしかして、泥棒……?


私は武器になりそうな分厚い参考書を本棚から抜き取って、スマホはいつでも110番を掛けられるように発信画面のまま、一階へと忍び足で降りていく。

心臓をバクバクさせながらゆっくりとリビングの扉を開くと……


『パシャ!』

「!?」

突然のフラッシュに驚いて私は一瞬目を閉じてしまった。
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