計画的恋愛
「本当に俺と離婚する気なの?」

「……私は離婚したいって言ったよ」

「でも俺は判子押さな いよ?」

「……」

「それにひよのご両親に報告したらあんな喜んでくれただろ?それでも離婚する?」

「……」

「ひよの家族を大阪に行かせたことは謝るよ、ごめん」

座ったまま頭を下げる暁君。

昨日あんなに理不尽な態度だったのに、コロッと態度を変えた暁君に少し拍子抜け。


「ひよが家族を戻して欲しいなら何とかするよ」

眉を下げて申し訳無さそうに私を見つめる暁君。


その顔、止めて……。
私が悪いみたいじゃない……。


「じゃあ、何とかしてみせて……。そしたら私は離婚を考え直す……」

出来るわけない。
暁君がパパを転勤させたのは事実だけれど、異動させた人間をまた自分の都合で簡単に戻すなんてことは流石に暁君でも出来っこないはず……。


「分かった」
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