計画的恋愛
「ひよがここに居たいなら、ずっと居てくれて良いんだよ?」

「茉奈ちゃん……」

優しく微笑んで言われたら目頭が熱くなった。

「それよりもひよ、いつまであんな男に渡された指輪を付けてるの。外しなさい」


『絶対に外さないで。魔除けになるから』


「う、うん……」


朝、暁君に言われた言葉が頭を過ぎったけれど関係ない。

私も暁君がパパを転勤させなければ、今頃だってこの家みたいに皆で笑い合っていたはずだ。

それを暁君が勝手に壊したの。

騙していたのは暁君。

それに私は離婚するの。


うぅ…また目頭が熱くなってきた……。


「ひよ…泣かないで……」

弱っているところを茉奈ちゃんに優しく抱き締められたらついに涙が溢れた。
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