計画的恋愛
「や、やめて!」

「ひよは行くところ、あるの?」

私に跨がったまま茉奈ちゃんは上半身を起こすと真上から見下ろした。

「え?」

「家にも帰れず、私の家を出ても、行くところ無いでしょ?」

「!」

「だから大人しくしてて?」


ママにも離婚はさせないって言われたし、学校もあるから大阪にも行けない。

茉奈ちゃんのように気軽に泊まりにいける友人も他には居ない。

今の私には行く所が無い。


その言葉は卑怯だ……。


すると動けないでいる私の胸に顔を埋めた茉奈ちゃん。


「ひよは良い匂いがする……」

「っ!?」

身体中に鳥肌が立つ。

暁君に触れられる時とは全然違う感覚が身体中を駆け巡る。
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