計画的恋愛
「ちょっと待って下さい!」

「何?」

止まって振り返ってくれて、ホッと安心した。

とりあえず貴方の気持ちを確認したい。

「あの、私のこと、好きなんですか!?」

「うん。だから行こう」

笑顔だがサラリと返すと、私の腕を再び引っ張る。


なにその軽い感じ!
告白はロマンチックにするべきでしょ!

それに私を勝手に引っ張らないで!!


「あ、あのっ!待って!」

私を無視して腕を引っ張る男の子は個室を出て、廊下をズンズン歩いていく。


それよりも私、貴方の名前すら覚えてないの!

ちょっと、人の話を聞いてよ!


その時、横からぬっと大きな手が出てくると男の手を掴んだ。
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