計画的恋愛
すると突然暁君は暁君はポケットから何かを取り出した。

それは携帯用ウェットティッシュ。

それで丁寧に私の手を拭くと、今度は携帯用の除菌ハンドジェル。

それを私の手に丁寧に塗り込んだ。


「バイ菌ついたから拭いておかないとね」


男の子をバイ菌扱い……。


男の子も明ちゃんも固まったまま一言も喋らない。


「ひよの鞄、返してくれる?」

男の子に拒否させないような威圧的な声を出しながら、暁君は男の子に手を差し向けた。

男の子は無言で鞄を暁君の手に差し出した。


「さ。帰ろう、ひよ」

そしてナチュラルに私の手を握る笑顔の暁君。

私は怖すぎて何も言えずに暁君に手を引かれていく。


家へと手を繋がれたまま連れて行かれる中、暁君は終始無言。
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