計画的恋愛
目を細めて微笑む暁君に身震いしか起こらない。

怖い!怖すぎる!


そしていつの間にか指輪を持っていた暁君は私の左手を取ると薬指に嵌めようとした。


ダメ!抵抗しなぎゃダメよ、私!

私は精一杯の反抗で手を引っ込めて拒否をした。


「止めて…私は離婚したいの……」

私の言葉に暁君は目を見開いた。


「俺は絶対に判子は押さないよ」

が、すぐに笑顔に戻して告げる暁君。


今日は負けないんだから!

暁君に負けまいと私は拳を握りしめながら言った。


「……どうすれば離婚してもらえる?」

暁君は再び目を見開いた。


その顔はすぐにまた笑顔に戻ると思っていた。

が、暁君の顔は予想に反して、歯痒そうに顔を歪んだ。

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