計画的恋愛
「お母さん、ただいまー」

「お邪魔します」

昨日ぶりの一条家。
変な意味でドキドキする……。


「おかえりなさい、二人とも。お茶を入れるからリビングでお話しましょう」

「あの、暁君は居ませんよね?」

「居ないから安心して頂戴」

良かったと私は安堵の一息。




「暁と籍を入れたと明から聞いたわ。そして離婚したいとも」

お茶を出すとおばさんは会話の頭から早速本題。


「昨日も話した通りだよ。お兄はひよりちゃんに本性隠して結婚したのよ。そりゃひよりちゃんも怖くなって別れたくなるよ」

明ちゃんが私をフォローするように言ってくれた。


「ひよりちゃんは暁と離婚したいの?」

おばさんは神妙な顔つきで私に気持ちを訊いた。

< 174 / 582 >

この作品をシェア

pagetop