計画的恋愛
すると暁君は乾さんの首から手を離してくれた。
乾さんはゴホゴホと咽ているが、大丈夫のようだ。

それを見て私はホッと一安心。

暁君、これは流石にやりすぎだよ!


「君は大きな勘違いをしている」

「「え?」」


乾さんに駆け寄ろうとした時、暁君が言った。

その言葉に乾さんは何が?と不意を突かれた顔を作る。

そして暁君の雰囲気はいつの間にかブラックさが消え、ガラッと変わっていた。

先程までのブラック暁君が何故消えたのかワケもわからず、私は呆然と立ち尽くす。


「俺は君の星でも何てもないんだよ。俺は本当の工学部の星を知っている」

「え。何処ですか……?」

不思議そうな顔をする乾さんを暁君は指差した。


「君だよ」

「え」

その一言に乾さんは固まる。

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