計画的恋愛
「でも君と出かけた時間は楽しかったよ!またケーキを食べに行こう!じゃあ俺は早速研究室に向かうから!また会おう!」

乾さんは聞いたこともないハキハキとした声で早口で私に言った。

まるで人が変わったみたいに。

そしてそう告げると乾さんは最後に暁君にお辞儀をして、嵐のように走り去って行った。


「ど、どうしちゃったの?突然……。しかも暁様って……。それに何か性格まで変わったみたいに見えた……」

「試しにマインドコントロール掛けてみた。暁様には笑えたね」

「え」

私は目を見開いて呆然。


マインドコントロール……?


「人間は生命的危機にさらされて恐怖を感じてから、突然安心感を与えられたり褒められると洗脳に掛かりやすくなるんだ。俺のこと崇拝してるって言ったし、相手のことを信頼しているとマインドコントロールって掛かりやすいから試してみたら掛かったね」


そんな笑顔で言っちゃえることなのか……?


「それよりひよはもう無駄なことは止めなよ。これで分かったでしょ?」

「え?」

「ひよは人を見抜く力が無いんだよ」


それについては反論出来ません。

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