計画的恋愛
お兄ちゃんは突然私の両手を握って言った。

「ひより!何かされたらすぐにお兄ちゃんを呼びなさい!」

お兄ちゃんはこの通り、バカな程私を溺愛している。


「そんなことしないから」

そんなお兄ちゃんに眉を下げた暁君がピシャリと言った。


「暁君!約束ですよ!?」

お兄ちゃんはそう暁君に告げると二階へと掛け上っていった。


そうだよね……。
大人な暁君が私を眼中に入れてるわけないよね……。

はぁ。
お兄ちゃんが余計なことを言うから現実を見せられて凹んだ。


「暁君、大学もあるのに無理を言ってごめんなさいね」

暁君は昔から頭も良くて、大学は日本のトップの東大。
ママは私がお兄ちゃんのようにバカになるかもしれないと心配で、頭の良い暁君に家庭教師をお願いしたのだ。


「おばさん、無理だなんてしてませんよ。ひよのためなら何でもしてあげたいですから」

え。何でもって……。

その言葉は私の心臓の動きを速くさせた。
< 3 / 582 >

この作品をシェア

pagetop