計画的恋愛
「あれ?」

が、鍵を捻った暁君が突然言葉を溢した。


「どうしたの?」

「鍵が開いてる」

「え」


まさか、泥棒……!?


「ひよはここで待ってて」

そう言って一人で中に入ろうとする暁君。


「警察を呼ぼう!」

ドアに手を掛けた暁君の腕を私は掴む。


「大丈夫だよ。念のために確認してくるだけだから」

「でも!暁君に何かあったら!」

そう返すと暁君の顔が一瞬で綻んだ。


「嬉しい。ひよが俺のこと心配してくれてる」

今はそういうこと、言ってる場合じゃない。

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