計画的恋愛
「暁君って手を繋ぐの、好きなの?」

「うん。いつでもひよに触れたいから」


こんなカッコイイ顔でそんな風に優しく言われて落ちない女が世の中に居るのだろうか。

動悸がオカしいくらい激しい。


「……暁君、さっき『ホストの極意』読んで、もう技をマスターしたの?」

私は赤くなる顔を誤魔化すように口に出す。


「俺は素直に気持ちを言ったまでだよ」

未だに優しい顔の暁君。

暁君は私の心をいつだって甘ったるくさせる。


「そんな顔して俺を誘ってる?ひよがお望みなら、もっとくっつけるイイところに行くけど?」


もっとくっつけるって、それってつまり、

ホテル……

ボンっ!と顔から火が出た。


「行かないっ!」

「残念」


暁君は顔を赤らめている私を見て笑う。

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