計画的恋愛
「来た。俺はフロアに出る」

暁君が立ち上がる。

「わかった――――んんっ!?」


振り向くと暁君がパイプ椅子に座る私の唇にキスをした。

お兄ちゃんのいる前でお構い無しに。


「俺が愛してるのは、ひよだけ」


わかってますってば!

だからこんな所でキスしないで!


お兄ちゃんに見られたか気になって振り返るが、どうやら監視カメラの映像を見ているようでこちらを見ていなかった。
良かった。


『星夜く~ん!会いたかったぁ!』

ホッと胸を撫で下ろした瞬間、聞こえてきた声に私も監視カメラを食い入るように見つめる。

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