計画的恋愛
『どうしたの?』

どうやらキヨちゃんも気になったらしい。

『清子は俺以外にもこのシャンパンタワー見せたんだね。シャンパンタワーを知ってるみたいだから……』

『そう、だけど……』

『俺、悔しい……。もっと早く清子と会いたかった……。俺だけの清子じゃないなんて……』

視線を下に向けて、儚げな表情で溢した暁君。

『え?』

『ちょっと妬いちゃった。ごめん、小さい男で』

暁君は眉をハの字にして笑って言った。


『そんな事ない!もう暁君以外には見せないから!』

キヨちゃんはそんな暁君を見てきっとまた心臓を打ち抜かれたに違いない。

キヨちゃん、暁君の手の上で見事に転がされてるな。



そして高さ一メートルほどにピラミッド型に積み上げたカクテルグラスにシャンパンが注がれると、キヨちゃんが歓声をあげた。

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