計画的恋愛
「あとこの時計、一応換金しとけ」

そう言って暁君は、今日キヨちゃんが持って来た時計を袋ごと渡した。


「ひよりには心配をかけたな。兄ちゃん情けない……」

「ううん」

「暁君、今回は本当にありがとう……」

お兄ちゃんが暁君に頭を下げて御礼を言った。


これでお兄ちゃんも元気になってくれるかな……。


「ひよの頼みだったしね。じゃあひよ、解決したから俺達は帰ろうか」

すると暁君に右手を掴まれた。

「それに俺の愛を教えてあげなくちゃいけないしね」


笑顔で言った暁君に再び寒気と疲れが……


「そうはさせるかぁ!!!」

「え?きゃっ!」

その声と共に開いてる左手をお兄ちゃんに掴まれると、ぐいっと引っ張られた。

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