計画的恋愛
「冗談だよね?」

冗談?

「冗談なんかじゃないよ!暁君おかしいよ!私の家族を大阪に送ったこと、許せないよ!」

私が捲し立てるように叫ぶと暁君は再び目を見開いた。


「私、お兄ちゃんとだって、パパとママとだって離れたくなかった……。あの時、暁君が私に自分がついてるよって言ってくれて嬉しかったの……。でも、あれも全て暁君が仕組んだ事なら腹が立つよ!私を騙してたんだから!」

「ひよ……」


私と居られれば周りはどうでも良かったなんて……。


「それに日付けまで覚えてるなんて異常だよ…。それに3歳の頃の口約束をまともに真に受けるなんて……」

暁君は目を見開いたまま。


「まともじゃないよ……」

こんな恐怖を感じる人と一緒になんて居られない……。


「暁君、私と別れて下さい……!」

暁君は私のその言葉に目を見開いたまま。

私は恐怖心を押し込めて必死に自分を保とうと拳を握り締める。

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