君を見つめて、ことわざを。
静かな、それでいて、凛とした声。
男の子の一声に気圧されたのか、周囲は一瞬にして
静まり返った。

すると、再び男の子が口を開いた。

「大した理由もなく他人を笑い者にすることは、
 卑怯者のすることだと、僕は思います。
…何故、皆さんが僕の着メロを笑っていたのか、どなたか僕に教えていただけますか?そうすれば、僕はまた一つ、自分の短所を発見出来ますから。」


…この子、天然?

確かに言ってることはカッコよく聞こえるし、正論。

だけど、自分が設定した着メロで笑われているのに気付いてるのに、その着メロが何故笑われる対象になるのかわかってない。

…これは、彼の質問に答えてあげないとダメだね。

彼の思考回路を大体理解した私は、一つ、溜め息をついて彼に話しかける。

「…あのね、」

「何で、手を挙げてないの⁉」

私が声を発すると同時にしばらく黙っていた彼がいきなり、鋭い声を発した。




















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