君の笑顔が見たい
「おい、お前。どこから来た」

突然、上方から声がした。

上に顔を向けると、木の上に世の中でイケメンと呼ばれる顔をした男の子(?)が二人いた。


「ねぇ、シュウ。口調が素になっているよ?」

男子高校生にしては、高めの声。

「やべっ。……ねぇ、キミ。とりあえず、今から5分前までの記憶。なくしてくれる?」

なんて無茶を要求してくるんだ。

「うん、分かった~」

面白そうだから、肯定してあげよう。

「いいの?ありがとう。ところで、キミの名前は?僕は涼森秀弥。BRSの昨年の生徒会長だよ」

「俺はね、野中波月っていうんだ。キミは転入生?俺は2年だよ」


二重人格で、元会長。黒髪の金眼が秀弥。
優しそうで眼鏡をかけたのが波月。

あーあ。人とは関わりたくなかったのに。

しょうがない、か。


「自分は~今日入学したらしいよ~。永塚です、先輩方」

「そっか。永塚さん。さっきの質問に答えてくれる?」

えっと……あ、どこから来たかだっけ。

「N県の山奥の自分達の家から、かな」

「そういう意味じゃないんだけど。なんで屋根から落ちてきたの?」

うん。秀弥はさ、完全にどこから来たか分かっているよね。
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