君の笑顔が見たい
「あ。お姉ちゃん。やっと見つけた」

…………しまった。妹に見つかった。

逃げよ……。

少しずつ後ろに下がっていく。


「ねぇ、お姉ちゃん。逃げたらどうなると思う?」

ビクッ

「リアは~もしや、エスパー?」

「違うよ。でも、お姉ちゃんの考えていること位、想像できるよ」

…………。

「もぅ。急に黙らないでよ。眩しいからか知らないけど、サングラスかけて、パーカーのフードかぶったら、全然顔見えないんだからね。それじゃぁもう、不審者だよ」

「あ~。どうりで滑ったわけだ」

だって、視界悪いもんね。

「滑った~?訳の分からないこと言わないで。ほら、行くよ」

「い~や~だ~」


妹にむりやり引きずられる。

「お姉ちゃん、引っ張られるのが嫌なら自分で歩いてよ、ほら」

「え~じゃぁ、引っ張られる~」

「馬鹿なこと言わないでさっさと歩いて」

右手首をつかまれ、逃げられない。

「拒否権は~……」

「ないからね!」

ぴしゃりと言われる。


はぁー。仕方ない。
教室とやらに行くか。
< 21 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop