君の笑顔が見たい
なんて考えているうちに「ピンポーン」という音が聞こえてくる。

ラとファの音だと思いながら、仕方なく玄関に行く。


「俺だよ、俺。迎えに来てやったぞ」

「……オレオレ詐欺は法律違反ですよ~」

と言いながらも、扉を開ける。

隙間から強い光が差し込んできた。

いつも思うが、自分に太陽はまぶしすぎる。

「おはよう、永塚姉。って、まだ準備できてないのかよ」

「自分はこの格好でいいんですけど~」

今の格好はジャージのズボンにパーカー。

うん、問題ない。

「はぁー。おい、優莉愛いるか?」

少し大きめの声で呼んだシュン。

すぐに妹は玄関まで来た。

「おはようございます、瞬輝君。お姉ちゃんの準備が遅くてすみません」

「べつに、シュンに謝らなくていいよ~」

と律義に挨拶する妹に、声をかける。
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