メーデー、メーデー、メーデー。
「別れた後に、自分より若くて可愛い女の子を連れて歩いていた事に嫉妬して怒り狂った」
早瀬先生がなかなか答えないから、木南先生が自ら回答してしまった。…が。
「…とでも思っているんでしょう? あなたの中で、私はどこまで哀れな女なの?」
桃井さんと早瀬先生とオレが考えていた答えは、どうやら正解ではなかったらしい。
「人は死んだら人権はなくなってしまうのでしょうか」
木南先生は次々と早瀬先生に質問を投げかける。
「……」
木南先生の意図の分からない問いかけに、早瀬先生は戸惑い、返事が出来ないでいた。
「蓮は4歳で亡くなった。だから、今年で7歳であっても4歳のままです。来年も、再来年も何年経とうが4歳です」
「……」
木南先生の言いたい事が、早瀬先生にもオレにも分からない。