アーモンド~キミとの物語~
episode.12
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夏休みもあっという間に過ぎて残り二週間ちょっととなっていた
前に海に行って以来特に夏休みらしい夏休みを過ごしておらず相変わらずバイトと夏休みの課題に終われる毎日だ
そんなある日午前中でバイト終わりの千咲
「…………」
このあとの予定は特に無く家へと帰る途中カシャカシャと何かのシャッター音が聞こえた
「ん?今の音…どこかで」
聞き覚えのある音のほうに行くとそこは公園だ
そこには真剣にカメラのレンズを除きこみながら何かを撮る創汰の姿があった
(創汰…?)
カメラを構えて何かを撮る姿を見たのは久しぶりだった
あまりに真剣そのもので声が掛けにくかったが手を止めた創汰がこちらに気付く
「ちぃ…」
「あ、ごめんね」
「いや…バイト終わりか?」
「うん。創汰は写真撮影?」
「まあな」
首に下げてるカメラを見てそう言う
声掛けても良かったのにと言われるがあまりに真剣で出来なかったと答える
するとグゥ…とお腹が鳴る
「あ…」
それは千咲のお腹の音だ
すると創汰は「ぷっ」と笑う
「ちょっ、笑わなくても!」
「ごめんごめん!急にお腹鳴るからつい…っ」
呆れたように笑う
千咲は恥ずかしくなり顔を赤くしてプイッとそっぽを向いて拗ねる
「ごめんごめん」と謝る創汰
「お昼まだなら何か食いにいくか?」