アーモンド~キミとの物語~





夏休みも残り一日

あの夏祭りから一週間が経つ
秋斗が射的で取ってくれたクマのキーホルダーを見る

(可愛いなぁ…)

白にくるりとした目
背中には羽が付いている

ツンっとつつくと今にも動き出しそうな可愛さだ

それを見ながら千咲は秋斗が何を言いかけたのか気になっていた
微かに口が動いて何かを言ったのは分かったが花火の音にかき消されてしまってよく聞こえなかった

「あの時なに言いたかったのかな…」

なんでこんなにもやもやするんだろうと気になって居たがそんな考えを消すように咲良の声が下から飛んでくる

「ちぃー!」

「わっ!な、なに?」

返事をしたあとパタパタとリビングに降りる

「お姉ちゃん?」

「あ、来たきた。千咲も着替えて!」

「へ?」

なぜ?と首を傾げると咲良がニコニコとご機嫌に笑いながらこう言う

「今日で夏休み最後でしょ?だからお出かけしよっか?」

「お姉ちゃんと…」

この夏休み、お互いバタバタとしていた
咲良は仕事があり海行って以来まともな休みが無くて千咲もバイトに行ったり愛未たちと出掛けたりしてて姉妹でゆっくりすることが無かった

咲良も今日は仕事が休みでたまには一緒にどこか出掛けたいと思っていた

「たまには、一緒に遊びに行こっか?今日で夏休み最後なら家でダラダラしてるより買い物したり食べ歩きしよ?」

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