アーモンド~キミとの物語~
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それから数日後の午後
千咲は足りなくなったペンキなどを取りに美術準備室へ行った
その様子を陰から見る一人の女子生徒がいた
「…………」
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そんななか教室では下描きが出来上がりあとは中途半端にされている色塗りの看板があった
手の空いた創汰が手伝いに入っていた
だが千咲の姿が無いことに気付きクラスの男子に声を掛ける
「なぁ、伊藤。千咲どこ行った?」
「あ?萩原?……あぁ、そいやペンキ少なくなったからって美術準備室行くつってたな」
「なるほどな」
「けど、お前萩原と幼なじみなんだろ?行ってやれよ。女子一人で持てる重さじゃねぇし、3年の教室棟近くだから目ぇ付けられたらたまったもんじゃねぇしな」
「分かった…」
そう言って創汰は急いで千咲を探しに美術準備室へ向かった
美術室は3階にありその近くには三年生の教室がある
どの学校にでもあるが気に入らない後輩がいると目を付けるというやつだ
ーーーそんなことを知らない千咲は準備室でペンキを探していた
「えっと、確かこのへんにあるって聞いたけど…」
周りを見ながら探していくと上を見るとペンキの入った缶が上に置いていた
文化祭が始まる時期になると美術室と準備室の出入りが激しいためわざと鍵を開けていたのだ