アーモンド~キミとの物語~
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一年前の文化祭のことだ
千咲は今と同じく看板に色塗りをするために絵の具や筆などを美術準備室に取りに来ていた
『んと、確か……あった!』
棚に入っていた絵の具のストックを取ろうとして背伸びをする
ギリギリ指先が届き、そのまま落としてキャッチしようと思っていたがヘタに違うものに当たってしまい
『あ…』
(どうしよっ)
その瞬間一気に落ちてくると同時に「危ない!」と声がして誰かが引っ張ってきて抱き寄せられる
『大丈夫かい?』
『あ、はい…』
それが秋斗との最初の出会いだったーーー
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「思い出した?」
「はい。……私、秋斗先輩に助けられてばかりですね」
「千咲ちゃんが危なくなったらいつでも助けるよ」
「え…」
意外な言葉にびっくりする
まるで創汰と同じことを言っていたからだ
昔から心配性でいつも世話焼きで自分が泣いていたり困っていると助けてくれる
「ん?」
秋斗の屈託のない笑顔にどこかしら昔の創汰と重なって見えた
なんて思っているとガラッと扉が開いて「ちぃ!」と呼ぶ声がした
「創汰…?」
「うさ…」
「あき、と先輩?えっ?」
いきなり入ってきた瞬間二人一緒に居るのが何よりも驚きで変な声を出す
「なんで二人でいんの?」