アーモンド~キミとの物語~
そう、二人はイトコ同士なのだ
秋斗の父親とほのかの母親が兄妹で家を行き来するほど身内内で仲が良い
小中は違ったものの高校から学校が一緒になり良く一緒に居ることが多いためたちまち噂が勝手に一人歩きしてまっている
「そのうち噂なんて消えるわよ」
「……そうだな。そいや、お前春休み中にバイト始めたって言ってたけど」
「ああ…そうね。近くのカフェでバイト始めたのよ。そこのケーキやランチ美味しいから秋斗も来たら?」
「そのうちな」
ほのかのバイト先はさっき千咲たちが話していたカフェだ
カフェの名前は「NOAH(ノア)」
外観はちょっと明るめのレンガに淡いピンクをあしらったロールスクリーン(オーニング)の屋根
看板には丸文字で可愛らしく“NOAH ”と書いてある
内装といえば、カウンター席、テーブル席やまったり出来るソファ席がいくつかあり明るくて温かみのある照明で落ち着いた雰囲気になっている
休憩時間を使ってくるOLや学校終わりにちょっと寄りたいと思う学生が多くが利用している
「……なあ、お前のバイト先に…」
「ん?」
「いや…なんでも」
なにかを言いかけた秋斗だったが口を紡ぐように押し黙った